【JSTQB試験対策】4つのレビュータイプを徹底解説!それぞれの特徴と使い分けを理解しよう

4つのレビュータイプを徹底解説!
JSTQB Foundation Levelの静的テストの章で登場する「レビュータイプ」は、多くの受験者が苦戦するポイントの一つです。
なぜなら、4つのレビュータイプには共通点が多く、それぞれの違いが分かりにくいからです。
この記事では、JSTQB試験に頻出する4つのレビュータイプ(非形式的レビュー、ウォークスルー、テクニカルレビュー、インスペクション)について、それぞれの特徴や違いを明確にし、試験で迷わないための実践的なポイントをお伝えします。
レビューとは何か?なぜ重要なのか
まず基本から確認しましょう。レビューとは、ソフトウェアを実行せずに成果物を検証する「静的テスト」の代表的な手法です。プログラムコードだけでなく、要件定義書や設計書などのドキュメントも対象となります。
レビューの最大のメリットは、開発の早い段階で欠陥を発見できることです。コーディング後のテストで発見するよりも、要件定義や設計の段階で問題を見つけた方が、修正コストは圧倒的に低くなります。
つまり、レビューは品質向上とコスト削減の両方に貢献する重要な活動なのです。
4つのレビュータイプの全体像
JSTQBシラバスでは、主に4つのレビュータイプが紹介されています。これらは「形式度」の観点から、以下のように整理できます。
非形式的レビュー → ウォークスルー → テクニカルレビュー → インスペクション
右に行くほど、手順やルールが厳格になり、形式的になります。それぞれ見ていきましょう。
1. 非形式的レビュー:気軽に相談、スピード重視
非形式的レビューは、最もカジュアルなレビュー方法です。「ちょっとこのコード見てもらえる?」と隣の席の同僚に声をかけて確認してもらうようなイメージです。
■特徴
・参加者:作成者と同僚(知見のある身近な人)
・手順:特に決まっていない、柔軟
・記録:必須ではない
・形式度:最も低い
■主な目的
・潜在的な欠陥の早期発見
・影響度の小さい問題の迅速な解決(これが固有の特徴!)
・より形式的なレビューの準備段階
■実務での使い方
プログラマーが自分で書いたコードに明らかなミスがないか、簡単な設計書に抜け漏れがないかなど、「とりあえずチェックしてほしい」という場面で活用します。
正式な会議を開くほどではないけれど、第三者の目でチェックしてほしい時に最適です。
2. ウォークスルー:作成者が説明しながら進める
ウォークスルーは、成果物の作成者自身が主導して行うレビューです。作成者が参加者に対して「こういう意図で、こう作りました」と説明しながら確認してもらいます。
■特徴
・参加者:作成者(主導者)とチームメンバー
・主導者:作成者自身(これが最大のポイント!)
・手順:非形式的なものから形式的なものまで幅広い
・形式度:中程度
■主な目的
・欠陥の検出
・標準や仕様への準拠の評価
・代替実装案の検討
・チーム内での認識合わせ
・レビュアーの教育
■実務での使い方
新機能の設計を完成させた後、チームメンバーに説明しながら「ここはこういう理由でこの設計にしました」と共有し、フィードバックをもらう場面などです。
作成者が主導することで、背景や意図が正確に伝わり、より建設的な議論ができます。
3. テクニカルレビュー:技術のプロが評価する
テクニカルレビューは、技術的な専門知識を持つメンバーが集まって行う、より高度なレビューです。ウォークスルーとの大きな違いは、作成者ではなく、経験豊富なファシリテーターが主導する点にあります。
■特徴
・参加者:技術の専門家、経験者
・主導者:作成者ではない経験豊富なファシリテーター(ウォークスルーとの違い!)
・手順:比較的形式的
・形式度:高い
■主な目的
・技術的な問題についての合意形成
・新しいアイデアの創出(これが固有の特徴!)
・代替技術の検討
・技術的な決定事項の評価
■実務での使い方
データベース設計の大幅変更、新しいアーキテクチャの導入、セキュリティ対策の評価など、専門的な技術判断が必要な場面で実施します。
「この実装方法で本当に良いのか」「もっと良いアプローチはないか」といった技術的な議論が中心となります。
4. インスペクション:最も厳格なレビュー
インスペクションは、4つの中で最も形式的で厳格なレビュー方法です。手順が明確に定められ、参加者の役割も明確に分かれています。
■特徴
・参加者:各役割が明確に定義される(レビューリーダー、作成者、レビュアー、書記など)
・主導者:レビューリーダー(訓練を受けた専任者)
・手順:非常に明確、チェックリストなどの文書を使用
・形式度:最も高い
■主な目的
・標準や仕様からの逸脱の検出
・ソフトウェア開発プロセス全体の改善(これが固有の特徴!)
・成果物の品質保証
・メトリクスの収集と分析
■実務での使い方
重要な要件定義書の最終レビュー、顧客に提出する設計書の検証、規制対応が必要な医療・金融システムのドキュメント検証など、「絶対にミスが許されない」場面で実施します。
指摘事項を修正した後、再度インスペクションを行うこともあります。
試験対策:4つのレビュータイプの見分け方
JSTQB試験でレビュータイプの問題を解く際、以下のポイントに注目すると正解にたどり着きやすくなります。
ポイント1:誰が主導しているか
・作成者が主導 → ウォークスルー
・作成者以外のファシリテーターが主導 → テクニカルレビュー
・明確な役割分担あり → インスペクション
・特に決まっていない → 非形式的レビュー
ポイント2:固有の目的を覚える
各レビュータイプには、そのレビューでしか出てこない固有の目的があります。これを覚えておくと選択肢を絞りやすくなります。
・非形式的レビュー:影響度の小さい問題の迅速な解決
・ウォークスルー:標準や仕様への準拠の評価
・テクニカルレビュー:新しいアイデアの創出
・インスペクション:ソフトウェア開発プロセスの改善
ポイント3:形式度の高さ
迷ったら形式度の観点で考えましょう。
非形式的 < ウォークスルー < テクニカルレビュー < インスペクション
「厳格な手順に従う」「役割が明確」といった記述があればインスペクション、「柔軟に対応」「手続きは簡単」とあれば非形式的レビューです。
混同しやすいポイントに注意
■ウォークスルー vs テクニカルレビュー
この2つは最も混同しやすい組み合わせです。両方とも「代替実装の検討」という共通の目的があるため、目的だけでは判別できないことがあります。
決定的な違いは主導者です。
・ウォークスルー:作成者が主導
・テクニカルレビュー:作成者以外のファシリテーターが主導
また、テクニカルレビューには「技術の専門家」が参加する点も重要です。
■テクニカルレビュー vs インスペクション
両方とも形式的なレビューですが、違いは以下の通りです。
・テクニカルレビュー:技術的な議論と合意形成が目的
・インスペクション:標準や仕様への準拠確認と、プロセス改善が目的
インスペクションの方がより厳格で、メトリクスの収集や継続的なプロセス改善まで視野に入れています。
まとめ
4つのレビュータイプは、それぞれ異なる目的と使い方があります。
・非形式的レビュー:気軽に、素早く
・ウォークスルー:作成者が説明しながら
・テクニカルレビュー:専門家が技術的に評価
・インスペクション:最も厳格に、プロセス改善まで
JSTQB試験では、「誰が主導するか」「固有の目的は何か」「形式度はどの程度か」という3つの軸で考えると、正解にたどり着きやすくなります。
各レビュータイプの違いを理解することは、試験合格のためだけでなく、実務でのソフトウェア品質向上にも直結します。
JSTQB(日本ソフトウェアテスト技術者資格)は、ソフトウェアテストの専門的な知識と技術を認定するための資格です。この資格は、ソフトウェアテストのプロフェッショナルとして必要なスキルを証明するものとして、業界で広く認知されています。
JSTQBは、国際的な基準であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に基づいており、日本国内のソフトウェアテスト分野における実務能力を向上させるための指針となっています。
株式会社NSITでは、ソフトウェアテストに従事するエンジニアの約9割が、JSTQBの資格を取得しております。